資金が100万円の投資家が取るべき戦略と、
資金が1億円の投資家が取るべき戦略は根本的に違います。
例えば、雑誌やブログで掲載されている敏腕投資家は、得てしてお金持ちです。
よく、雑誌等で敏腕投資家の投資戦略が紹介されているケースがありますが、
それらはお金持ちが取るべき投資戦略であって、
資金の少ない初心者には不向きな投資戦略である。
そういったケースがよくあります。
言ってみれば、億トレの億トレによる億トレのための投資戦略です。
そうではなく、ちゃんと身の丈に合った投資戦略を選択する必要があります。
ランチェスター戦略について
弱者と強者において、戦い方が異なることを示したのがランチェスター戦略です。
ランチェスター戦略上は、弱者のうちは一転集中、局地戦で行くべきとされています。
投資においては、すなわち資金の一点集中で行くべきという考え方になり、
非常に的を得ています。これには2つの大きな理由があると思っています。
①Aという戦略を取ると、Bという戦略を取れる資金的余裕がそもそも無い。
②仮に大敗を喫しても、スタートに近い時点ならばお金を貯めてやり直しがきく。
例えば、12月はIPOが盛んで、IPO投資家が気鋭を上げる時期になります。
IPO投資は比較的リスクの低い投資ですので、
IPO口座に資金を振り分けて当選を狙うのは合理的な戦略です。
優待株投資にトライするのも良いでしょう。
秋以降はとりわけ個人が好む優待株に資金が流れてきます。
業績の良い銘柄に関してはタイミング関係なく買われていきますので、
その会社について深く理解して長めのスパンで持つのも合理的な投資戦略です。
配当狙いで高配当の銘柄を狙っていくのも有効な投資戦略です。
できることならば全部の戦略にBETしたい。
資金の多い人は資金さえあれば施行回数をどんどん増やすことができますから、
それが期待値がプラスの戦略であれば施行した数だけ利益を上げられます。
なのでIPO、優待株、好業績銘柄への投資など、
様々な戦略をバランスよく実施することは合理的な判断だと思います。
自分の売買で株価を動かす可能性があるので、
中小型株の場合どうしてもロットが限られてきますしね。
リスクの分散もできますので、守備力も高い。
はっきり言って贅沢な戦略です。
資金の少ないうちは、施行回数が限られてきます。
Aの戦略を採用した場合に、Bの戦略に資金を振ることができない。
その場合、自分が持っている選択肢の中で一番期待値が
高い戦略に対して一点集中で行かないといけません。
例えば、
・12月のIPOラッシュは諦めて、早めに3月優待株の仕込みを行う。
・多くの銘柄を切って、自分が絶対に自身のある1銘柄に全力でBETする。
自分は、資金が数百万円のうちはIPOと優待長期保有の戦略は捨てて、
1銘柄に全力でBETしてリスクを大きく取ってきました。
今でこそ優待株、IPO、成長株投資に資金を振り分けられるようにはなりましたが、
人それぞれ、タイミングによって取るべき戦略は違います。
株式投資というのは、資金が増えれば増えるほど負けにくい有利な戦いができます。
一方で資金が少ないうちは、お金持ちが取れない(資産規模に比して)大きなリスクを取れます。
弱者にも強者にも、どちらにも有利な戦い方がありますので、
それぞれのフェーズで戦い方を変えて行くのが、広義の投資戦略であると考えています。