期待値が大きくないと、金銭的には投資する意味がない。
そこを的確に判断できることが、優れた投資家の条件だ。
コーポレート・ガバナンスを守らければ企業は存続する意味がない
プレーヤーとして日本を変えたい。
失敗することは多々ある。
失敗しない投資など投資とは言えない。
私は、アベノミクスの年から株を始めた底辺投資家です。
村上ファンド全盛期の頃は投資など全くやっていませんでしたし、
正直なところ村上さんに対しては漠然と「金の亡者」的な印象を持っていました。
しかしながら、この本を読んで
村上さんの日本の企業経営に対する思いが伝わってきましたし、
私が漠然と勘違いしていた部分、知らなかった部分を知ることができました。
正直、株をやっていない時期にこの本を読んでもさほど刺さらなかったでしょうし
そもそも手にも取っていなかったと思うのですが、曲がりなりにもリスクを取る
投資家になった今、読んでみると村上さんの考えに一貫した納得性を感じて、
あ、自分も「こっち側の人間になったのかな」なんて考えてしまう今日この頃です。
オリックスの宮内会長と、モノタロウの瀬戸氏のくだりは、
自分の投資観を180度変えるような視点でとても興味深く読みました。
「社長が株を持っていない=経営に対して熱心でない」
という思い込みがあったのですが、必ずしもそうではないという事実。
自分は株を持っていなくても、熱心に経営に取り組んでおられる方もいらっしゃる。
「社長が株を持っていないから買わない」と安直に判断するはやめようと思いました。
そして、再三に渡って「コーポレート・ガバナンス」というキーワードが出てきます。
投資家が経営者を監督する仕組み。株主の立場や権利が重視されるようになり、
ROEが意識されるようになり、生産性が上がり、投資家の裾野も広がってきた。
読み物としても面白いし、投資の哲学書としても面白い。
たまにはこういう本もいいですね。