プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)という考え方があります。
PPMとは経営資源を最適に配分することを目的として1970年代に提唱された、
製品ライフサイクルと製造現場における経験曲線効果の概念を元にした経営理論です。
「相対的市場占有率」「市場成長率」を軸に、以下の4つのカテゴリに分類されます。
問題児:
導入期・成長期にある製品。成長を促し花形にするために大きな投資が必要な製品。
花形商品:
成長率・占有率共に高いため、多くの収入が見込める製品。
しかし、市場が成長している場合、シェアの拡大・確保のため、
それなりの投資を行う必要がある。
金のなる木:
成長率が低いため、大きな投資は必要のない製品。
しかし、ある程度の市場占有率を確保しているため、安定的利益が見込める製品。
負け犬:
成長率・占有率共に低いため、撤退などの検討が必要になってくる製品。
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自分が投資しようとしている会社の製品・サービスがPPMにおける
どのフェーズにあるのかを考える事は非常に重要です。
何故なら、株で儲かるフェーズは基本的に下記の2つしか無いからです。
①「問題児」にある製品・サービスが期待先行で人気化するフェーズ。
2015年末に自動運転関連で人気化したアイサンテクノロジーがまさにそれです。
このタイミングにおいては短期的に株価はものすごく上がりますが、
資金の逃げ足も速く、仕手化しやすいのはこのフェーズです。
「問題児」なので利益も上がっていませんから、決算の数字にも表れません。
ですので、逃げるタイミングを間違えると大きく食らいます。
「青天井」とか言ってる人たちは無視。とにかくいつ逃げるかが重要です。
②「問題児」にある製品・サービスが「花形」に移行するフェーズ。
ガンホーのパズドラ
ミクシィのモンスト
ペッパーフードのいきなりステーキ
・・・上げればキリがないですね。
「問題児」にある製品・サービスが「花形」に移行するフェーズは、
競合も少なく市場で一気に注目されるので株価は無茶苦茶上がりますし、
上昇相場がある程度長く続きますので大きなポジションも組みやすいです。
我々みたいな一般の個人投資家が株式投資で普通でない利益を得ようと思ったら、
比較的小型の株で「問題児」にある製品・サービスが「花形」に移行するフェーズ
を大きく捉えるのが一番確実だし安全だと思います。
そして、その銘柄が「花形」のポジションにいる限り株を持ち続けるのです。
逆にこれらの製品・サービスが「金のなる木」になったら
投資タイミングとしては遅すぎで撤退しなければいけません。
【3765】ガンホー
2013年の5月にピークをつけた後、
パズドラは次第に「金のなる木」フェーズに移行していきました。
企業として利益は出ていますので下げるとついつい買いたくなってしまいますが、
株式投資においてはここで買うのでは遅すぎるのです。
早く見切りをつけて次の「問題児」を探す旅に出なければいけません。
株式投資というのはいわば、永遠に「問題児」を探し続ける旅なのです。